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2005年11月29日 (火)

ファミレス界の名クック

ファミレスは同じチェーンであれば、どこでも同じ味の料理が楽しめるはずでしたが、最近は残念ながらそうはいかなくなってきています。
ファミレスでは、プロの調理人を使っていません。
調理師の資格を持っているのも、店長一人というところがほとんどだと思います。
もっとも、調理師の資格と料理ができることとは関係ありませんが・・・
ファミレスでは、料理を一度もしたことがない高校生男子でも、3ヶ月後には、一人前に育てます。
何故そんなことができるかというと、普通の料理人が長年の修行で体得する技術を、誰にでも分かる数値にしてマニュアルを作っているからです。
たとえば、料理をしたことがない人間にフライパンでハンバーグを焼いてみろと言ったとします。
おそらく、火が強すぎて表面だけ焦がしてしまうか、火が弱すぎて中の水分が抜けてしまうかどちらかだと思います。
どのくらいの温度で、どのくらいの時間焼けばいいか知らないから、失敗をします。
料理人の世界ではこういう事を修行によって、先輩から盗み取っていたのです。
だから、一人前になるのに何年もかかっていたのです。
ファミレスでは、そんなことはしていられません。
何年もかけていたら、一人前になる前に高校生は卒業してしまいます。
ではどうするのか。

ファミレスでは料理を、温度と時間と重さという三つの数値によって管理します。
厨房には、グリル用の大きな鉄板があり、ガスで一定の温度になるように調整されています。
その鉄板の上にハンバーグを置き、キッチン用のタイマーで、決められた時間焼けば、誰が焼いても同じ焼き具合になるわけです。
当然、器具が正しい温度を維持するよう適正なメンテナンスは必要ですが。
重さというのは、一食あたりどのくらいの材料を使用するかと言うことです。
料理を感覚ではなく、目に見える数値に分解して説明したのがファミレスのマニュアルです。
これによって、ファミレスは安価な人件費で、一定のレベルの料理を提供できていたわけです。

しかし、最近事情が少し変わってきました。
たとえば、僕の入社当時、キッチンでフライパンを使うのは、付け合わせの野菜を加熱するときと、ステーキを焼くときぐらいでした。
だから、キッチンにベテランがいないときにステーキのオーダーが入ると、店長が呼ばれたりしていました。
今は違います、フライパンを使う料理が増え、フライパン自体の種類と数も増えました。
パスタも、フライパンで炒めて具材とソースをからめています。
他にも手間のかかる料理がどんどん増えています。
盛りつけも、昔はただ配置するだけという感じでした。
今は立体的な盛りつけをしないと、料理そのものが成立しないようなものもあります。
厳しい業界の競争の中で日々新しい料理が開発され、店舗のオペレーションは困難になってきています。
残念ながら、もうどこの店で食べても同じ料理がでるとは限らなくなってきています。
ファミレスのクックにも、昔から個々の能力の差がありましたが、それが料理の差になって現れることはなかったのです。

そんな競争の中で僕たち店長は、自分の店を選んでもらえるように日々努力を続けています。

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コメント

はじめまして(〃^ー^〃)
ファミレスでも味に違いが出てしまうんですね。
同じ料理でも日によって味が違う店って
結構あるんですよね。
前回すごく気に入ってまたそのお店に行ったのに味が落ちているとがっかりっていうか、もう行かないって思っちゃいます。

投稿: ことこと | 2005年11月30日 (水) 22:14

ことことさん、コメントありがとうございます。
僕らにとって、「もう行かない!」と思われてしまうことが最も、怖いことです。
毎日が戦いです。

投稿: てんてん | 2005年12月 1日 (木) 01:39

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